こんにちは。
いつもAgri Step(アグリステップ)をお読み頂きありがとうございます!
今回は記念すべき百姓テールズ第一回目です!
アメリカにいる間に、ここだからこそ出会えた情熱にあふれた農家の方や農業関係のお仕事をされている方をご紹介していきます。
「百姓テールズ」ってなに?という方は、こちらの百姓テールズリンクでご説明していますので読んで頂けると嬉しいです!
マークとの出会いは、BBCC(Big Bend Community College)滞在中のZoomミーティングでした。
ミーティングでは、オンライン農場ツアーということでMarkの家の農場を紹介してくれたのですが、その際、Markがとても日本の農業に興味があり、日本への農業留学を目指していることを話してくれました。
今回の記事では、マークがなぜ日本の農業に興味を持ったのか、また
マークが今までどんなことにチャレンジしてきたのか、マークの魅力を読者の方々にお伝えします。
マーク・サイゼン
マークは現在、コロナ拡大の影響からバーモント大学(the University of Vermont)を休学して、家族が経営する農場にて働いている25歳。
実家はデイリーファーム(酪農)を経営しており、毎日牛と向き合う仕事に誇りを感じながら作業に打ち込んでいます。
そんなマークの選んだ「休学」という選択に至るには、日本での農業留学に向けたとても強い想いが秘められていました。
始まりは2014年。マークが高校生の時に初めて日本へ渡りました。
当時、台風の時期と重なっていたことから予定変更などがありましたが、その時の経験がその後のマークの人生に大きく影響したそうです。
来日時には、東京と長野に行き、地方の宿泊施設に滞在しながら、温泉や、餅つき、伝統料理、味噌作り、お寺巡りなど、様々な日本文化を経験し、日本にすっかり魅了されてしまいました。
その後、アメリカに帰った後も想いは消えず、農作業の後には湯船に浸かり、疲れを癒しながら日本への想いを募らせる日々。
なんとか農業を通して日本とつながりを作ることはできないか、マークの模索は続きます。
その結果、バーモント大学へ入学することを決めます。
入学時の専攻として農業学/生物学を、副専攻として日本語を選択します。
しかし日本語を副専攻とする場合、日本史、日本文化、音楽、上級の日本語クラスなどハイレベルな日本文化の学習を選択することはできませんでした。
その上、すでに幼いころから農場で働いてきた経験から、ハイレベルな農業コースを受講する許可を大学側からも得られていました。
それらの理由から、マーク自身がデザインする個別の専攻作りに取り組み始めます。
専攻をデザインする中で、念願であった日本への農業留学プログラムも専攻のカリキュラムに加えることができました。
大学との度重なる話し合いや様々な苦労を乗り越えた後、マークの目指してやまなかった、農業と日本文化に特化した専攻を作ることに成功します。
これでやっと日本に行ける!と思った矢先、またもや壁が立ちはだかりました。
コロナの影響で日本へ留学することが困難に。
そして、大学在学中に日本へ渡航することができないと判断し、不本意ながら休学を決意。
休学中に、日本の農家との繋がりを作るため独自に行動を起こします。
高校の先生を通じて日本の酪農家とのつながりや、Hello Talk (言語学習アプリ)を通じてWWOOFをしてみたい酪農家とのつながりを作りました。
さらには、J-milkという一般社団法人にメールを送ってみたところJAECと繋がることができ、そこからJapanese Agricultural Trainee Program(私の参加しているプログラム)のディレクターと繋がりました。
休学期間中にオンライン農場ツアーを始めていたことから、私達研修生に向けた同様のツアー企画へと派生し、今回僕はマークと出会うことができました。
コロナ禍ということで想い通りに進まない状況ではありますが、マークの今後の目標としては、日本への留学を果たし、バーモント大学を卒業した後、北海道大学の大学院へ進学し、USDA(米国農務省)の日本支部にて働くことだそうです。
マークの見るアメリカと日本の農業
マークは日本について学んでいく中で、農家と人との関わり方がアメリカのそれとは違うことに気付き、大学の研究テーマとして取り組むことにしました。
日本の農家は周囲の方との繋がりが強いのに対し、アメリカの農家は日本のような強い繋がりがない、そう感じたマークは日本への留学の際、酪農だけに留まらず、様々な農家を訪問してみたいそうです。
それぞれの農家と関わる中でその地域の事情や、人との関わり方を見て学び、聞いて学ぶことで、アメリカとの違いをさらに明確にし、独自の研究につなげることを目指しています。
また訪問ができた際には、研究だけでなく、日本の価値ある歴史や、文化、伝統など日本人のコミュニティに根付いている日本のありのままの文化を体験したいと言っていました。
マークとの出会いを通じて
今回の出会いはお互いに刺激のあるものとなりました。マークは日本の農家と、とにかく繋がるために様々な方法を模索して行動していました。
僕も18歳の頃から、農家との関係が一切なかったために電話やメールなどで、同じようなことをしていました。
国は違えど、同じアクションをしていた者同士、とても親近感を覚えました。
しかし話を聞く中で、親近感だけでなく勇気ももらいました。
マークが専攻をデザインする際には、たくさんの人から反対意見を言われたそうです。
どんなに反対意見を言われたとしても信念を曲げずにこれまで行動してきたマークにはとても感銘を受けました。
最後になぜ農業が好きなのかを聞いたところ、
“I love farming and cows more than I can explain. I had a cow named Shadow. Every morning I said would say “Good morning Shadow, do you want your morning kiss?” and she would bring her nose close enough for me to feel her whiskers and then waited for her kiss before going back to eating. It’s feelings like that, that I cannot get enough of“.
農業と牛が説明ができないほど好きです。私が以前シャドーという牛を飼っていた頃、毎朝のように「おはよう、モーニングキスが欲しいかい?」と聞くとシャドーはごはんを食べていたにも関わらず、いつもひげが私の顔に触れる程、鼻を近付けてきてモーニングキス待ってたんです。うまく答えられませんがそんな感じがたまらなく好きなんです。
マークがとても純粋に農業や牛のことが好きだから、今の生き方を選んだんだなぁ感じました。
今はコロナの影響によって日本へ行くことがとても困難で、先の見通しが立てられない現状にあり、とてもやるせない気持ちであることも語ってくれました。
コロナでもオンラインで人は繋がることができます。
もし、読者の中でマークと農業について話してみたいという方や、農家さんの方で経験をシェアできるという方がいらっしゃればぜひAgri Step(アグリステップ)にコメントして頂けると嬉しいです。
マークは北海道や東北の酪農に、特に興味を持っていますが、どの地域の方でも繋がれると、とても喜ぶと思います。
今回の百姓テールズは以上です。
もっとマークについて詳しく知りたいことなどございましたら、同様にコメントお待ちしています。
いつもAgri Step(アグリステップ)をお読み頂きありがとうございます。
それではまたお楽しみに!
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