百姓テールズ vol.2 -Mariquita Farm-

いつもAgri Step(アグリステップ)を読んでいただきありがとうございます!

今回は百姓テールズvol.2です!

百姓テールズって何?って方はリンクから確認してもらえるとうれしいです!

先日ご近所のAndyさんの農場を訪問する機会があり、農場ツアーをさせていただきました。

Andyさんの農場「Mariquita Farm」ではさまざまなハーブや果樹、エディブルフラワー、花卉、サボテン、古くからこの地域で育てられてきた固有の野菜などなどとてもバラエティー豊かな作物が混在するオーガニック農園です。

今日はそんなAndyさんの背景や、農業にかける想いに迫ります。

目次

Mariquita Farm

Andyさんの農場は先祖代々受け継いできた土地を活用して現在はメキシカンワーカーの方と共に作物の管理をしています。

農業に必要不可欠な水は、農場内にある井戸からいつも供給しており、話を聞くと、1890年代にAndyさんの曽祖父が掘った井戸であるらしい。

1世紀以上も利用されている井戸。しっかりと管理している様子を見ることができ、だからこそ現役で使用できているのだなと感じました。

そんな歴史のあるAndyさんの農場では、主にメキシカンインディアンの方が好んで食べる野菜を育てています。

メキシカンインディアンとは、コロンブスが1492年にアメリカ大陸を発見する以前から生活していた現地住民になるのですが、今でもメキシコの南部オアハカという地方あたりではその文化が色濃く残っているそうです。

特に言語に関しては都市部ではメキシカンスパニッシュが話されているそうですが、地域によっては別の言語が使用されています。

Oaxaca Language

ここのウェブサイトでは言語の紹介がされていて、16言語にも及ぶ現地言葉があるとのことです。

実際に僕もオアハカから来た方と仕事をしているのですが、Mixtecaという言語をしばしば使用しています。

そもそも南アメリカ発祥の野菜というのは数多く世界に出回っていて、トマト、カカオ、トウモロコシ、ピーナッツ、いちご、じゃがいも、かぼちゃ、ひまわり、アボカド、バニラなどなど豊富にあります。

日本でも今は生活によく根付いている野菜が多いですよね。

僕はぜんぜん知らなかったのでAndyさんから聞いて個人的に調べてみると色々と出てきました。

農場では野菜だけでなく柿や様々な品種のレモン、ザボンなどのフルーツ、食用サボテン、あらゆる種類のハーブや、花卉などが育てられていました。

「Andyさんはどのようにして育てる作物を決めて栽培に取り組んでいるのか。」農作物の紹介をしてもらう中で自然とこんな疑問が湧いたので質問してみました。

すると、作物を選ぶ際に考慮している事柄として3つ教えてもらいました。

1. 環境にあっている作物

2. レストランが求めている作物

3. 一年中何かしら収穫できる組み合わせ

これらをベースに作物を考えているそうです。

聞くと簡単に聞こえるかもしれませんが、話を聞く中で実際にAndyさんが取り組んでいる農業は勉強と実践の積み重ねという“努力”が背景として見えてきました。

環境にあっている作物を見つけるにはそもそも地域の歴史や天候、畑の性質など幅広く熟知するだけでなく、周辺農家さんの動向なども注意深く観察しているとのことでした。

品種も然り、土地の性質に合ったものを選んで植えるということをしているからこそ、様々な品種であれど順調に育っている様子が見て取れました。

さらに去年から取り組み始めたというラビリンスのラベンダー畑も歩かせて頂きました!

ラビリンスとは調べたら迷宮と出てきましたが、分岐のない一本道の図形を指している言葉らしく、ギリシャ神話と関わりのある内容につき詳しくは説明しきれないのですが、Andyさんは、その図形を模したラズベリー畑を作っていました。

聞くと、他の農家も取り組んでいない独自に考えたやり方だとか。

コロナ禍によって農場への来客はほとんどなくなってしまったとのことですが、今後客足が回復してきたときにエンターテインメント性を持って楽しんでもらえるよう考えだしたそうです。

ラビリンスの周りにマリーゴールドや様々な花を植えて飾ることによって、「見て、歩いて、楽しめる」そんな農場にしたいと語っていました。

またラビリンスは人生のメタファーとしても機能していて、真ん中(ゴール)に近づいたと思えば離れ、離れたと思えばまた近付いて、そんな道を歩く中で最後にはゴールにたどり着くことができる。

そこもまたラビリンスの楽しみ方のようです。

現状は厳しいこともありますが、Andyさんのようにその先をイメージしてクリエイティブな発想にチャレンジできる姿勢は学びになります。
 

アンディーさんの農業にかける想い

最後にAndyさんのオーガニック栽培(有機栽培)にかける情熱を聞いてみました。

「子供のときカリフォルニア大学のフィールドステーションで育ちその時から農薬には縁のない環境で生活していた。農薬に頼らない農業を見て育ち、今もそれと変わらない生活を送っている。できないと言われてもやると決めたことを絶対にやり遂げてみたいだけだ。」

祖父が農家として生活している姿、父が植物生態学者として植物だけでなく環境に配慮した研究を行っていた姿を見てきたAndyさん。

その2つの生き方を組み合わせた「環境に配慮する農家として生きていく」。

自分の道をひたすら追求する姿勢を教えてくれました。
 

ファームツアーを終えて

Andyさんの農園では本当に豊富な作物を見て、味わって、香って、楽しむことができました。用途がそれぞれ違いますが、価値のあるものしか植わっておらず、栽培方法だけでなく販売方法など興味深いことを数多く学ぶことができました。

またラビリンスを筆頭に創造的な農業への取り組みや、農業そのものを楽しんでいる姿勢を見ることができ、Andyさんの信じる農業の在り方について知ることができました。

数時間にも渡ってツアーを行ってもらい、Andyさんの人柄の良さも強く感じ、充実した時間が過ごせたのでとてもありがたい日となりました。

読者のみなさまにも今のアメリカの農家さんがどのような状況で、どんな想いで農業に取り組んでいるのかすこしでも感じてもらえると僕としても嬉しいです。

それではまた次回をお楽しみに!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次