アメリカと日本の農業を比較 Vol2_2 -アメリカと日本の農業用水-

いつもAgri Step(アグリステップ)をお読み頂きありがとうございます。

今回も前回の「カリフォルニアの水はどこから来るの?」に引き続き、水に関しての記事をアップしていこうと思います。

前回の記事にコメントを頂きまして、日本では僕がリンクを貼り付けたyoutube動画に飛ぶことができないようです。

アメリカのみ?で閲覧可能になるのでしょうか、観ることができなかった方には申し訳ありません!

もしご興味のある方はヒストリーチャンネルの”Mega Disasters: massive drought ravage the globe”というタイトルのものを調べてみてください!

僕が気になった内容は以前の記事に少し書いてるのでそれを読んでいただければ僕の記事の中で伝えたいことは伝わるのではないかと思います!

ぜひチェックしてみてください!

アメリカと日本の農業用水

日本の農業用水

みなさんは農業用水がどのくらい使用されているのかご存知でしょうか?

2018年の農林水産省のデータによると、日本全国で使用される水は800億㎥でそのうちの三分の二が農業用水として使用されています。

主に稲作(米作り)の際に用いられる水が圧倒的に多く、日本の米文化に起因しています。

稲作にに用いる水路が長きにわたり築かれてきました。

なのでそれだけ多くの水を稲作で活用できているということは、広く水を行き渡らせるだけの水路が整備されているということにつながります。

特にぼくが驚いたのが棚田技術です。

棚田とは、山間地などの地域で見られる段々畑になっている田んぼのことです。

写真提供:ogtsage

以前棚田を調査している方とお話した際に、江戸時代くらいの土木技術が発達してきたころに作られたということを聞きました。

それまで僕はもっと昔から棚田はあったのかと勝手に思い込んでいたので、改めて聞いて考えてみると合点がいきました。

棚田を整備するためには段々畑にするだけの技術と、そこに水を運んでくる水路の設置が不可欠です。

あきら

そんな棚田も今では衰退の一途を辿っています。特に山間地農業は担い手が減少傾向にあるからです。
機械を活用して農作業をすることが難しいからでしょう。

日本のそれだけ多くの水路(農業用用排水路)を小さいものまですべて足し合わせると長さが40万キロに相当すると言われています。

水路があれば、必要な水を年中蓄えるダムの存在も欠かせません。

国土交通省が管理しているダムは128個に及び、その水が用水路を通して農業で活用されているんですね。

そして水は水路からだけ来るのではありません。

日本の農業における地下水利用

日本にももちろん地下水があります。

僕が働いた農家さんの農場でも井戸を見かけました。そしてそれらはしっかりと今も使われています。

国土交通省のサイトで見つけたグラフです。

生活用水での利用が顕著なことが分かりますね。

また、農業用水の利用は比較的横ばいで昔から使用している農家さんが継続して使用しているのではないでしょうか。

国土交通省「地下水の利用用途」

アメリカの農業用水

アメリカの特にSan Francisco周辺の農場事情となります。

前回の記事で詳細をお伝えしたようにカリフォルニアの水の多くがSierra Nevadaから来ているのですが、実際の所、農場では水路が周りにあるというよりは、ポンプや水道管を経由した水を使用しているケースが多いです。

僕が農場見学をした際にはどの農場にも地下水を活用するための井戸がありました。

周辺を見回しても水路というよりは川がいくつか流れているくらいで、コンクリートなどで舗装された日本のような水路が張り巡らされているわけではありません。

今後見に行きたいと考えているのがSacrament周辺の稲作地域です。

聞くところによるとそのあたりでは広範囲で稲作が行われているとのことで、必然的に多くの水が必要になるので水路が広がっているのではないかと予想をしています。

あきら

Sacramentには今後行く予定なので稲作地帯に行くことができた時には短編記事のような形式もしくはインスタグラムでお伝えしますね!

農場用水確保問題

前回の記事でアメリカの干ばつ問題について触れました。

地下水が減少傾向にある上、Sierra Nevadaの降雪量が減り水の管理がとても重要になっていることをお伝えしました。

それに対し、日本の農業用水の確保にはどのような問題があるのでしょうか。

日本の農場用水確保問題って?

日本の農場用水を確保する上で問題となるものが2つがあります。

  1. 水路の老朽化
  2. 管理費の増加

古くから利用されている水路が多いように、劣化も進んでいることは想像に難くないかと思います。

それに引き換え管理費の増加とは?となる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

費用の増加理由は、農村地域の都市化などによる発展に伴った廃棄物などの処理や安全施設の設置によるためです。

水路にはゴミなどがかなり捨てられていて、地元の方が協力して清掃する活動はどこの地域でもされているのではないでしょうか。

日本は水資源がアメリカの干ばつ地域に比べて恵まれている一方で水路の維持・管理が問題になってきています。

まとめ

日本で暮らしている中ではよく見る水路ですが、世界を見渡すとその水路がどれだけ貴重なものであるのかが感じられます。

前回の記事と今回とで、南カリフォルニアと日本の農業用水について比較しましたが、それぞれの地域に特徴があることが見えてきました。

地形や気候など環境によって水資源を取り巻く問題は大きく変わります。

しかし、水があってこそ取り組むことができる農業なので、(砂漠、乾燥地帯で取り組む農業もありますが主流としては水ありきです。)より様々な地域の農業と水の関係性を知ることで似た問題や、全く違った問題、対策などを知ることができると思います。

今回の記事を通してぜひ読者にみなさんが農業と水の関係性を知るきっかけになれたら嬉しいです!

それでは今回もお読み頂きありがとうございました!

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 今回も勉強になる記事ありがとうございます!

    農業用水の確保、梅雨が短かった今年はまた苦労しそうですね。

    私も夏は水の確保が大事なので、明さんも水分しっかり取ってご自愛くださいませ。

    • 藤原さん
      コメントありがとうございます!
      そうですよね、梅雨が短いとニュースで僕も見ました。
      雨が多すぎると大変ですし、少なくても大変なのでなんとも難しいですよね。
      お気遣い頂きありがとうございます。お互いに熱中症には気を付けて、夏を乗り越えましょう!!(^^)

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