こんにちは。
今回はアメリカで利用されている潅水方法についてお伝えしていきます。
潅水とは、野菜に水をあげることで、家庭菜園ですとホースからの水やりや、ジョウロを使った水やりのことがそれにあたります。
アメリカでは見渡す限り一面の農場もあれば、グリーンハウスを用いた農場もあり、その土地や、施設によって潅水方法は様々です。
以前の記事でカリフォルニアの水に関して記事にしたのですが、この記事では、「どのようにその水を活用しているのか。」具体的な方法を見ていきたいと思います。
アメリカの潅水方法
潅水管理の大切さ
潅水管理とは、持続可能で効率的な方法による水やりを行うことを意味します。
農業においてこの考え方は特に重要で、限られた水資源をどのような配分で畑に配分するのかを考えることはもちろん、水資源を枯渇するような水の無駄遣いをしないよう考えることも必要です。
また、適切な潅水を行うことが作物を健康に育てることにつながります。
バランスが重要ということですね。
それでは、潅水方法について見ていきましょう。
Center Pivot(センターピヴォット)
アメリカの大規模農業を代表するような潅水システムです。
アメリカの農場をGoogleマップで見ると、緑色の円形があります。
これらはこのセンターピヴォットによる潅水によって作られています。
機械の中心を軸にして円を描くコンパスのような構造をしており、軸から水を噴出し両サイドへ水が広がり、垂れ下がっているスプリンクラーから水が出ていくようになっています。
コーンやアルファルファなどの穀物や飼料の栽培によく活用されています。
Furrow Irrigation
フュローイリゲーションでは、重力を利用した潅水方法となります。
河川からチューブやパイプ、サイフォンというものを使って農地に水を運び、畝の間にある緩やかな傾斜を水が流れていく仕組みです。
実際にこの潅水方法を使用している農家さんのYouTubeビデオがあったのでご紹介します。
この農家さんは約1%ほどの勾配を作ることによって、水がパイプから流れ、下っていくように調整しているようです。
また、トラクター作業で畝間を通るのですが、それによって踏み固められた箇所に水を流すことで、効率よく水が流れていきます。
動画を観てもらうと水を流す箇所、流さない箇所と交互にあることが確認できると思います。
水を流していない場所はトラクターが通っていないため、水がまっすぐと下に下らないことがあり、効率が低く、効果も薄くなってしまいます。また、砂地でも同様に効果が低くなります。
水を畝間に流しいれることになるので雑草は主に畝間に生えるのですが、そこへトラクターによる除草作業を行うことで雑草管理はできるようです。
しかし水をたくさん使うため、十分な水の確保ができなければ行うことができません。
Drip Irrigation
日本ではハウスの中などでよく使用されている潅水チューブを利用した潅水システム。
アメリカでは、ハウス内だけでなく、露地(特に雨の少ない地域)でも行わているところを多く見かけます。
雨が少ないため露地でも必要になるのでしょう。
潅水チューブは取り外しが楽にできるため、トラクターを入れる前の片付け作業が楽です。
Sub surface Irrigation
潅水チューブを地面の中に埋めることで地面の中で水やりを行う方法です。
この方法だと効果的に水やりができるので節水に繋がる上、雑草が生えにくいというメリットがあります。
地面の中で潅水されているため、潅水作業中にも他の作業を進めることが容易です。
しかし、一度潅水チューブをセットすると潅水方法の変更が難しくなり、栽培する方法も、潅水チューブがある場所を基準とした作業を行っていくこととなります。また、問題が発生した場合の修理が難しいです。
日本でもこの方法で栽培されている方もいるかもしれませんが、僕は見たことのない方法だったのでとても興味深かったです。
、
Sprinkler Irrigation
日本でもよく見かけるスプリンクラーを使用した潅水方法です。
畑でも見かけますが、アメリカでは、芝生にて利用されているのをよく見ます。
家の庭や、公園等、様々な土地で利用されています。
Side Roll Sprinkler Irrigation
この潅水方法では、パイプをホイールで繋ぎ、その間に取り付けられているスプリンクラーが自動的に水やりを行うシステムです。
機械によっては完全に手動で動かしている農家さんもいますが、下の動画のようにモーターの動力を使って動かすこともできます。
まとめ
今回の記事では、日本では見慣れていないアメリカの潅水方法について特に特集しました。
僕自身、アメリカに行かなければ、知ることはなかったんだろうなぁと思いながら学ぶことができたので、こうして知ることができたことは良かったなと感じます。
日本で活用できる、できないは関係なく、その土地土地に合わせた潅水方法があるということを実感することができ、日本で行う潅水方法が当たり前でないことを気付きました。
もしかすると、海外の方にとっては日本人の潅水方法は「めずらしい方法」にも成りえるのかもしれません。
それでは次回もアメリカの農業に関してお伝えしたいと思います。
お楽しみに!
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