海外農業旅~オランダ編~vol.1

こんにちは!

いつもAgri Step(アグリステップ)をお読み頂きありがとうございます。

ここ最近は僕の新規就農に関する投稿ばかりでしたが、少し時間が作れたので海外の農業についてまとめたかった内容をまとめます。

今回一緒に見ていくのは”オランダ”です。

日本の中では「農業先進国」として農家さんを始め多くの方に知られているかと思います。

僕もオランダに行った理由としても「農業を見てみたい」という想いがあったからです。

あきら

なので「オランダのアムステルダムってどんなところ??」とは聞かないでくださいね(笑)
僕はその1時間圏内程の小さな田舎町に滞在しただけなので!

突然ですが、オランダにはこんな言葉があります。

“God created the earth, but the Dutch created the Netherlands.”

「世界は神様が創ったが、オランダはオランダ人が造った」

この言葉にはどんな理由があるのでしょうか?

僕もオランダに行く前は全くの無知で、なんとなく「農業が盛んなんだろうなー」程度でしたので行ってみると驚きの連続でした。

この記事では、どうしてこんな言葉が生まれたのかに関する背景を見ながらオランダの農業に関してお伝えしていきます。

目次

オランダ農業旅

オランダの農場訪問

ご縁があってオランダのDemeter(ディメター)農場へ行くことができました。

Demeterとは数ある有機認証の中でも特に規定が厳しいと言われている認証のことです。
この認証では、農業活動と人間の健康の関係性を重視していて、”土壌の地力再生”、”GMOフリー(遺伝子組み換えされていない)”、”動物(家畜)に敬意表す”といった内容の厳しい基準と原理原則を遵守していることが求められます。

上のサイトは英語ですがヨーロッパのオーガニック認証について教えてくれています。

Demeterのことも書いてあるので気になる方はぜひお読みください。

この農場を訪問した際に聞いた話や、現地で過ごす中で気になったことに関してアグリステップ内で記事にしていきます。

オランダはオランダ人が造った??

どういうこと?と思う方も少なくないと思いますが、これはオランダの海抜レベルに関係しています。

オランダは海抜がマイナスである所が国土の4分の1とされていて、最も海抜の低い土地が海抜マイナス6.76メートルと言われています。

僕が今回お世話になった農場も例に違わず海抜マイナス5メートルだと言っていました。

あきら

僕は泳ぎが得意ではないので、もし海水がやってこようものなら”まじでやばい。”と想像してしまいました。

そんな海抜がマイナスにある土地でもたくさんの農地があり、見渡す限りの農耕地でした。

実際、オランダには標高の高い山などはなく(最高地点322.5メートル)ほんとに平べったい土地だったのでアメリカと同様に地平線がひろがっています。

そこで感じたことが「なぜ農業ができているのか?」ですが、それを読み解くために、まずは少しだけオランダの歴史を見てみましょう。

オランダの歴史

オランダは氷河や川に運ばれた土砂が堆積してできた土地ですが、洪水や浸水が起きることも多い地域でした。

そのため古くから堤防や排水の工事が行われ、その延長で国土を広げていく活動へと発展していきます。

国土の20%以上は干拓事業によってオランダ人が造った、とされています。

経済の発展に伴って人口が増加し、それを支える農業力(食べ物)が必要になったことが干拓事業を行った背景にあるようです。

干拓された土地をpolder(ポルダー)と呼び、そこでは風車のポンプを利用して内側の水を汲み上げては排出し、乾燥させました。

風車はほかにも暮らしの用途に合わせて様々な方法で活用されていました。

例えば、穀物の脱穀であったり、油絞り作業、たばこの製造や製粉だったりと多様です。

あきら

今でも風車が残っていて、日本だと長崎のハウステンボスみたいな感じです。

干拓事業が進んだ結果として農業をできる環境が広がり、いまや農業先進国として知られるような国になってるんですね。

農場内での排水はどうしてるの?

先ほどまではネットとか本で調べればわかることが多かったのですが、ここからは農場で見た排水の工夫についてです。

僕の訪ねた農場では人参とかじゃがいもとか根菜を育てていて、あまりにもべちゃべちゃな土地だと育ちが良くないはずなんですが、とても立派でおいしい野菜でした。

ということは、排水対策がしっかり行われているはずだ!と思いそのあたりを質問してきました。

すると圃場の土の中に、数メートルごとにパイプが配置されていてそれが圃場の外へ水を運び出してくれるそう!

写真の中の赤いのが埋め込まれているパイプです。
パイプからの水がこんな風に小さな水路となって出ていきます。

この小さな水路から大きな水路へ水が流れていき、排水が行われているようです。

雨季にはかなり水に浸ることもあるそうで、その時は「農作業として排水作業を自分たちで行うこともある。」と聞きましたがそこに立ち合うことができなかったので次回の案件ですね(笑)

まとめ

今回の記事ではオランダの農業事情についてお伝えしました。

有難いことに農家の方から直接お話を聞くことができて、書きたい内容がたくさんあるのですが、その中でもまずオランダの国土と水の関係についてこの記事では触れました。

オランダは干拓してきた歴史が深く、それは今日の農業に深く結びついています。

海抜よりも低い土地で行う農業は排水対策が整っていて、作物が育つ環境を人間の手で作り上げているということをとても興味深く感じます。

その土地、人々の歴史や暮らしによって多様に変化して成長する農業。

様々な地域で独自性のある農業はやはり魅力あふれるもので、もっと学びたいなと強く思います。

新規就農の手続きに苦闘していますが、時々こうして今まで学んだことの発信は継続して行っていきます。

いつもAgri Step(アグリステップ)を楽しみに読んでくれているみなさんありがとうございます!

それではまた次回お会いしましょう!

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