こんにちは!
いつもAgri Step(アグリステップ)をお読み頂きありがとうございます。
今回の記事ではUC デービスでどのような生活をしていたかについてお伝えしていきます。
デービスでの専門学習期間は農業に関する授業だけでなく、ホームステイを通してアメリカの文化についても学ぶことができる内容です。
上のリンクにてJAECの農業研修に関してご説明しています。
授業は大学の教授から受講するのではなく、大学院生によってコーディネートされた授業を受けることとなります。
しかしあくまで受け身ということではなく、お互いに学びながら、また授業を向上させられるよう工夫しながら作り上げる姿勢が必要になります。
この記事では主に大学内での授業についてと授業後の活動についてまとめます。
UCデービスでの生活 勉強編
専門学習って何を学ぶの?
JAECのパンフレットにはUCデービスでの専門学習を行うことが記載されています。
では実際に「専門学習」とはどのような内容であったのかを僕が経験した内容からお伝えします。
前提として、毎年カリキュラムが違うことを念頭に置いて読んで頂きたいです。
今回は、専門分野に拘らず、すべての内容に対して全員で学ぶスタイルでした。
パンデミック以前は専門分野によってクラスが分かれ、専門の内容について学ぶことをしていたそうです。
例えば僕の場合、野菜専攻でプログラムに参加しているため、野菜の栽培について学ぶといった形式だった訳です。
今年は、包括して学ぶ形式だったため、常に全研修生が同じ授業を受講しました。
授業は主にAgricultural Specialities(スペシャリティ)とAgribusiness(アグリビジネス)の2科目に分かれていました。
なので時間割としては、午前/午後と別の科目を受講します。
しかし、水曜日は変動的で午前中に様々なアクティビティが入り、午後はアグリビジネスといった具合でした。
まとめると以下のような時間割です。
時間・曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土/日 |
午前9:30~12:00 | スペシャリティ | アグリビジネス | アクティビティ | スペシャリティ | アグリビジネス | 休み |
午後13:00~15:00 | アグリビジネス | スペシャリティ | アグリビジネス | アグリビジネス | スペシャリティ | 休み |
※午後の終了時間がたまに15:30になることがある。
色分けをしたようにスペシャリティのクラスとアグリビジネスの授業では内容が異なります。
スペシャリティクラス
このクラスでは、アメリカの農業の歴史や特にカリフォルニア州における農業の特色を学びます。
アメリカの農業の歴史に関しては以前の記事にまとめたような内容やアメリカ開拓に関する知識を深めることができます。
農業の特色とは、カリフォルニアの水問題といった農業分野における問題や、オーガニック農業、環境再生型農業、バーティカル農業やアクアポニクス、ハイドロポニクスなどなど、様々な農業の在り方や哲学について学びます。
その学びを通して、将来の自分が経営する農場の青写真を描くことになります。
プログラムのゴールが農業者を輩出することにあるので、就農を志していない方も、「もし自分が始めるとするなら?」といった視点から授業を進めていきます。
その青写真の中では、自由な発想から好きな農場をデザインします。
アグリビジネス
この授業では、農業をひとつのビジネスとして学問的に学んでいきます。
例えば、「なぜそもそも自分が農業をするのか」、「農業を通して何を達成したいのか」、「どのようなビジネスモデルを築くのか」、「値段設定はいくらか」、「競合他社はどのような法人(個人)となるのか」、「プロモーションは?」、「貸借対照表、損益計算書、キャッシュフローはどのように予測できるか」、「ロゴやスローガンは何か?」といったビジネスを行うことを前提としたプラン作りを行います。
上に挙げた内容を考える上で、様々な会社についてリサーチしてみたり、ケーススタディを行い、グループワークを通して解決策を生みだしてみたりと、アカデミックな視点から見た農業ビジネスについて考えます。
授業の最後には、自分が想像する農場の企画書をワードにて作成し、提出します。さらに、パワーポイントなどを活用して、プレゼンテーションを行うことになります。
そのプレゼンテーションでは順位が付けられ、TOPの方たちは賞状やプレゼントをもらうことができます。
その他アクティビティ
水曜日の午前中は様々なことを行います。
それというのも特に決まっていた授業はなく、その都度必要に合わせて学習を行うようなものでした。
初めに行っていたことは、デービスに来る以前に配属されていた農場でどのような仕事を行い、何を学んだのかについてプレゼンテーションを行いました。
その後、最終プレゼンテーションを念頭に置いた「プレゼンテーションの方法」に関する授業が行われました。
最後に向かうにつれて、最終の企画書やプレゼンテーションが大詰めを迎えてきたため、個人ワークといった具合に、とても自由な授業スタイルでした。
フィールドトリップ(農場訪問)
今回の学習期間中にそれほどフィールドトリップとして様々な農場に行くようなことはあまり多くありませんでした。
最終的に4回程度校外に出て、農場へ行ったり、ボランティアとして働いたり、スーパーでの販売に関して学ぶといったものでした。
個人的にはすべて楽しく学ぶことができたのですが、興味のない分野の農場訪問に関しては、お休みをする研修生もいました。
出席などが取られることも特になく、あくまで個々の選択にかなり委ねられている授業なので、出席率も様々です。
僕はすべてに出席したのですが、日本ではまず馴染のない「環境再生型農業」や「ヤギや羊の農園」などをみることができて、農業の価値観や視野を広げることにつながったなと感じます。
写真のような場所を訪問しました。
自由時間について
時間割を見てもらうとお気づきかとおもいますが、とても自由時間が長いです。
その時間はなにかあるのかというと、「何もない」です。
専門学習を初めてすぐは「宿題がでるのかな」と考えていましたが、全然宿題もありません。
では何をするのか、これは人によって様々です。
教室や図書館を活用して勉強しても良いですし、どこかへ観光やカフェに行ったりと何をしても大丈夫でした。
さらに、大学構内には、ボーリングやビリヤードなどを行うことのできるレクリエーション施設や、ジムもあり、お金を追加で払う必要はありますが、利用することが可能です。
ほかにも、大学内でのクラブやサークル活動への参加も自由に行うことができます。
研修生の中には複数のクラブ活動に参加している方もいて、たくさん友達を作っていました。
現地の学生も通常通り授業を受けているので、様々な学生と交流することもできます。
もちろん早く帰ってホストファミリーと共に時間を過ごすといったことも自由です。
また後日ホストファミリーとの生活や、自由時間の使い方について詳しい記事を作成しますね。
まとめ
今回の記事では主にUCデービスでの専門学習期間における勉強面に関してお伝えしました。
毎年同じ内容で進んでいくわけではありません。
個人個人がどのようなことを学びたいのかを鮮明に描いて、実際に主張したり、行動に移していくことがとても大切になると思いますので、ぜひデービスに行かれた際には積極的に行動されると良いのではないかと思います!
僕は、デービスでの学びを通して、アカデミックな視点から農業経営について考えることができたことが貴重な経験だったと感じています。
さらに、他の研修生も同様にビジネスプランを考えるということで、相談しながら、比較しながら独自のビジネスプランについて試行錯誤することができたプロセスはとてもおもしろみを感じました。
今回もAgri Step をお読み頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに!
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